この記事を書いた人
現役の小学校非常勤講師と、小学生向けオンラインスクールの講師をしています。学校の教室でもオンライン授業でも、子どもの個人情報をどう守るかは、毎日いちばん気をつけている部分です。
特定のスクールへ勧誘することはありません。教える側・育てる側の両方の目線で、中立にお伝えします。なお、AIサービスごとに入力情報の扱いは異なるため、最終的な設定や仕様は必ず公式サイトでご確認ください。
子どもがAIに「ぼくの名前は◯◯だよ」と打ち込もうとしている。それを見て、ヒヤッとした。そんな経験はありませんか。
結論から言うと、AIに入れてはいけない情報は、大きく4つの種類にまとめられます。
- 自分の個人情報
- 他の人の情報
- 写真・作品・他人が作ったもの
- きわどい内容・深刻な相談
そして、迷ったときの合言葉はひとつだけ。「これ、知らない人に見せても平気?」——これでだいたい判断できます。
すぐに表を見たい方はこちらへ:入力NG早見表【表A】へ/わが家のAI安全ルール表【表B】へ
この記事では、4つの種類それぞれについて「具体的なNG例」「なぜダメか」「OKな言い換え」を一覧にし、さらにそのまま印刷して冷蔵庫やデスクに貼れる「わが家のAIお約束」表を用意しました。なぜルールが必要なのか、どう声をかけるのかという「考え方」の部分は、別記事の小学生にAIを使わせて大丈夫?始め方と家庭ルールでくわしく扱っています。この記事は、その「では具体的に何がNGなのか」「家庭で何を貼ればいいのか」に答える実用ツールです。
どのAIツールが小学生に向いているかを先に知りたい方は、年齢制限・料金つきで6ツールを比較した小学生向け教育AIツール比較6選もあわせてご覧ください。
なぜAIに入れてはいけない情報があるのか(かんたんに)
くわしいリストの前に、理由だけ短くお伝えします。
AIに入力した文章や写真の扱いは、サービスによって異なります。設定で使われ方を変えられる場合もありますが、子どもにはまず「自分の手元から外に出る可能性がある」と考えてもらうのが安全です(くわしい扱いは各サービスの公式設定でご確認ください)。学校でもオンライン授業でも、子どもの個人情報は一度外に出したら戻せない前提で守っています。
だから合言葉は「知らない人に見せても平気?」。たったこれだけが、この記事を貫く考え方です。
小学生がAIに入力してはいけない情報リスト【4分類】
ここが記事の中心です。入れてはいけない情報を4つの種類に分けて、それぞれ「NG例」「なぜダメか」「OKな言い換え」で整理しました。
① 自分の個人情報
NG例: 本名(フルネーム)・住所・電話番号・通っている学校名・生年月日・顔写真・家族構成・テストの点数や成績
なぜダメか: ひとつひとつは小さな情報でも、組み合わさると「あなたが誰か」が特定できてしまうことがあります。たとえば「◯◯小学校の4年生」「家は△△駅の近く」「習い事は□□」と少しずつ入れていくと、知らない人でも個人を絞り込めてしまいます。名前を一文字だけ、と思っても、ほかの情報とくっつくと危ないのはこのためです。
OKな言い換え: 「小学4年生です」「習い事のことで相談したい」のように、個人が特定できない範囲にぼかせば大丈夫です。AIは「あなたが誰か」を知らなくても、ちゃんと相談に乗ってくれます。
始め方と家庭ルールの記事でお伝えした「名前・住所・学校名・顔写真は入れない」は、この①の代表例です。この記事ではそこに生年月日・家族構成・成績などを加え、「組み合わせで特定される」という視点まで広げています。
② 他の人の情報
NG例: 友達や家族の名前・写真・電話番号、先生の名前、友達の家のことや家庭の事情
なぜダメか: これは、家庭で見落としやすいけれど大切なポイントです。自分の情報には気をつけていても、「友達の◯◯くんがね」と相談のつもりで他人の名前を入れてしまうことがあります。でも、他の人の情報を勝手に入れるのは、その人のプライバシーを自分が漏らしてしまうことになります。自分の情報を守るのと同じくらい、他の人の情報も守る——この視点を子どもに持ってもらうのが大切です。
OKな言い換え: 「友達」「家族」「クラスの子」とぼかして相談すれば、伝えたいことはちゃんと伝わります。「友達とけんかして仲直りしたい」のように、名前を出さなくても相談は成り立ちます。
③ 写真・作品・他人が作ったもの
NG例: 自分や友達が写った写真、マンガやアニメのキャラクターの画像、本やネットの文章をまるごと書き写したもの
なぜダメか: 写真には顔や場所など、たくさんの個人情報が含まれます。また、他人が作ったもの(マンガ・キャラクター・文章など)をそのままアップロードするのは避けたほうがよいです。作った人がいるものを勝手に使うのは、トラブルのもとになりやすいからです。むずかしい法律の話は抜きにしても、「自分が作ったものではないものは、そのまま入れない」と覚えておけば安心です。
OKな言い換え: 写真を見せたいときは「赤い屋根の家の絵を描きたい」のように自分の言葉で説明する。文章の感想を聞きたいときは「こういう話の本を読んだんだけど」とあらすじを自分でまとめて伝える。これだけで、写真や丸写しを使わずに相談できます。
④ きわどい内容・深刻な相談
NG例: 暴力的・性的な言葉、こわい画像を作らせようとすること、いじめや家庭のことなど、自分だけでは抱えきれないとてもつらい悩み
なぜダメか: AIは便利な道具ですが、深刻な悩みやつらい気持ちの相談相手としては向いていません。AIは気持ちに寄り添っているように見えても、人間のように責任を持って助けてくれるわけではないからです。こわい内容・きわどい内容を入れること自体も、子どもにとってよい体験になりません。
OKな対応: つらいこと・こわいこと・深刻な悩みは、AIではなく、信頼できる大人や相談窓口に話すこと。これがいちばん大切です。おうちの人・先生・スクールカウンセラーなど、話せる大人に伝えてください。誰にも言いにくいときのために、公的な相談窓口もあります(くわしくは後の「もし困ったときの相談先」で紹介します)。
入力NG早見表【表A】
上の4分類を、ひと目でわかる早見表にまとめました。判断に迷ったら、いちばん右の「ひとことで言うと」を見てください。
| 種類 | これはダメ(NG例) | これならOK(OK例) | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|
| ① 自分のこと(個人情報) | 本名・住所・電話番号・学校名・顔写真・生年月日・成績 | 「小学4年生」など特定できない範囲 | 知らない人に教えない情報は入れない |
| ② 他の人の情報 | 友達・家族・先生の名前や写真、電話番号 | 「友達」「家族」とぼかして相談 | 自分以外の人の情報も守る |
| ③ 写真・作品・他人が作ったもの | 自分や友達の写真、キャラの画像、丸写しの文章 | 「こういう内容」と自分の言葉で説明 | 写真と丸写しはアップしない |
| ④ きわどい内容・深刻な相談 | 暴力的・性的な言葉、深刻すぎる悩み | つらいことは大人や相談窓口に話す | こわい・つらいことは大人に相談 |
※この表は、子どもと一緒に読めるようにやさしい言葉でまとめています。印刷して見える場所に貼っておくと、使う前に確認しやすくなります。
迷ったときの合言葉(リストを全部覚えなくていい)
4分類を全部おぼえるのは大変です。だから、たったひとつの合言葉を子どもに渡してあげてください。
「これ、知らない人に見せても平気?」
入れようとしている情報が、知らない人に見られても平気なものなら、たいてい大丈夫。少しでも「うーん、見られたくないかも」と思ったら、入れない。これだけで、リストの大部分はカバーできます。
別の言い方なら、「学校で大きな声で言える?」でも構いません。教室でみんなに聞こえる声で言えないことは、AIにも入れない、という物差しです。
私が授業で大切にしてきたのは、ルールを丸暗記させることよりも、子どもが自分の頭で「これは大丈夫かな?」と判断できる物差しを渡すことでした。一人ひとり、引っかかるポイントは違います。だからこそ、細かいルールを全部覚えてもらうより、シンプルな合言葉をひとつ手渡すほうが、いざというときに役立ちます。
「どうしてこの合言葉なのか」を親子で話し合うと、もっと身につきます。その話し合い方のコツは、小学生にAIを使わせて大丈夫?始め方と家庭ルールでくわしく紹介しています。
印刷して貼れる!わが家のAI安全ルール表【表B】
ここがこの記事のもうひとつの中心です。下の表は、そのまま印刷して、冷蔵庫やデスク、子どものタブレットの近くに貼って使えるように作りました。
ポイントは、空欄(カッコ)を親子で一緒に埋めること。時間や相談先、サイン欄を子どもと話しながら書き込むと、「言いつけられたルール」ではなく「自分で決めた約束」になり、守られやすくなります。右はしの☐は、約束できたら親子でチェックを入れる欄です。
| わが家のAIお約束 | |
|---|---|
| AIを使うのは( )のとき/1日( )分まで 例:宿題のあと/30分 |
☐ |
| 使う前に大人に「使うね」と声をかける | ☐ |
| 名前・住所・学校・顔写真は入れない | ☐ |
| 友達や家族のことも入れない | ☐ |
| こわい・変な表示が出たら画面を閉じて大人に見せる | ☐ |
| 答えは「本当かな?」と大人と一緒に確かめる | ☐ |
| つらいこと・困ったことは( )に相談する 例:おうちの人・先生 |
☐ |
| いざという時:24時間子供SOSダイヤル(通話無料)0120-0-78310 | |
| サイン 子ども:( )/おうちの人:( ) | ☐ |
印刷のしかた: スマホで読んでいる場合は、この表をスクリーンショットして、おうちのプリンターやコンビニのプリントで印刷しても大丈夫です。パソコンの場合は、ブラウザの印刷機能(メニューの「印刷」)からこのページを印刷できます。むずかしく考えず、まずは「画像にして貼る」だけでも十分です。
埋めるときのコツは、「ダメだから」ではなく「どうして?」を一緒に話しながら書くこと。たとえば「名前を入れないのはなぜだと思う?」と問いかけてから書くと、子ども自身の納得が生まれます。ルールづくりの考え方そのものは小学生にAIを使わせて大丈夫?始め方と家庭ルールでくわしく解説しています。
もし入力してしまったら?(落ち着いて対処する手順)
「気をつけていたのに、つい名前を入れてしまった」。そういうことは起こります。そんなときに大事なのは、子どもを責めないこと。責められると、子どもは次から「言ったら怒られる」と隠してしまいます。間違えても大丈夫、という空気のほうが、結果的に安全につながります。
入れてしまったときの手順は、シンプルに3つです。
- あわてず、画面をいったん閉じる。 こわい表示・変な表示が出たときも、まず画面を閉じて落ち着きましょう。
- 大人に伝える。 「こういう情報を入れちゃった」と正直に話してもらう。叱るより、「教えてくれてありがとう」と返すのがおすすめです。
- 必要なら、会話の履歴を消す・公式に報告する。 多くのAIサービスには、会話履歴を削除する機能や、不適切な内容を報告するフィードバック機能があります。
ただし、履歴の削除方法やアカウントの設定はサービスごとに異なります。具体的な手順は、お使いのサービスの公式ヘルプでご確認ください。まずは「閉じる→大人に伝える」だけ押さえれば大丈夫です。これさえ親子で約束しておけば十分です。
もし困ったときの相談先(深刻な悩みは大人や公的窓口へ)
④でお伝えしたとおり、つらい気持ちや深刻な悩みは、AIではなく人に話してほしいことです。まずは、おうちの人・学校の先生・スクールカウンセラーなど、身近で信頼できる大人に話すのがいちばんです。
それでも誰にも言いにくいときのために、子どもが無料で相談できる公的な窓口があります。文部科学省は、子ども本人やまわりの大人向けに子供のSOSの相談窓口をまとめています。そのなかには、24時間子供SOSダイヤル(通話無料):0120-0-78310があり、いつでも相談できます。
※この相談窓口の情報は、文部科学省「子供のSOSの相談窓口」のページに基づいています。子どもがAIにつらい相談をしようとしていたら、「それは大人やこの番号に話そうね」と、相談先を一緒に確認してあげてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 名前を一文字だけならいいですか?
A. 一文字でも、ほかの情報(学年・住んでいる地域・習い事など)と組み合わさると個人が特定できてしまうことがあります。名前は一部でも入れないのが安心です。AIは名前を知らなくても相談に乗ってくれます。
Q2. ニックネームやハンドルネームならOKですか?
A. 本名につながらないニックネームなら、基本的には大丈夫です。ただし、学校で呼ばれているあだ名など、まわりの人があなたを特定できるニックネームは避けましょう。迷ったら「知らない人に見せても平気?」の合言葉で考えてください。
Q3. 友達のことを相談するのはダメですか?
A. 相談すること自体はいいのですが、友達の名前や写真など、その人がわかる情報は入れないようにしましょう。「友達と」「クラスの子と」とぼかせば、相談は成り立ちます。これは②「他の人の情報」にあたる、見落としやすいポイントです。
Q4. 宿題の文章をそのまま貼ってもいいですか?
A. 自分が書いた文章なら問題ありませんが、本やネットの文章をまるごと書き写して貼るのは避けましょう。他人が作ったものをそのまま入れるのは、トラブルのもとになりやすいからです。感想を聞きたいときは、あらすじを自分の言葉でまとめて伝えてください。
Q5. 子どもの写真を「これ何?」とAIに見せるのはどうですか?
A. 写真には顔や場所などの個人情報が含まれます。人が写った写真は入れないのが基本です。「これ何?」と聞きたいときは、「赤い実がなっている木」のように、言葉で説明して尋ねるのがおすすめです。
Q6. もう入力してしまいました。どうすればいいですか?
A. まず画面を閉じて、落ち着いて大人に伝えてください。多くのサービスには会話履歴を消す機能がありますが、削除方法はサービスごとに異なるため、詳しい手順はお使いのサービスの公式ヘルプでご確認ください。大切なのは、入れてしまった子を責めないことです。
Q7. つらい悩みをAIに相談してもいいですか?
A. 深刻な悩みやつらい気持ちは、AIではなく信頼できる大人に話してください。誰にも言いにくいときは、文部科学省の子供のSOSの相談窓口(24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310)など、無料で相談できる公的窓口があります。
Q8. どのAIツールなら子どもに安全ですか?
A. ツールごとに年齢制限や安全機能が異なります。年齢制限・料金・特徴を一覧にした小学生向け教育AIツール比較6選で、お子さんに合いそうなものを選んでみてください。
まとめ:合言葉ひとつで、入力NGは判断できる
小学生がAIに入力してはいけない情報は、4つの種類にまとめられます。
- ① 自分の個人情報(名前・住所・学校・顔写真・成績など/組み合わせで特定される)
- ② 他の人の情報(友達・家族・先生のこと/見落としやすい)
- ③ 写真・作品・他人が作ったもの(写真と丸写しは入れない)
- ④ きわどい内容・深刻な相談(AIではなく大人や相談窓口へ)
全部おぼえられなくても大丈夫です。「これ、知らない人に見せても平気?」という合言葉を、子どもに渡してあげてください。
そして、上のわが家のAI安全ルール表【表B】を印刷して、親子で空欄を埋めながら貼ってみてください。一緒に決めた約束は、守られやすくなります。
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- ルールの決め方や声かけのコツを知りたい方は小学生にAIを使わせて大丈夫?始め方と家庭ルールへ。「禁止」ではなく「一緒に決める」考え方をくわしく解説しています。
- どのツールが小学生に向いているか選びたい方は小学生向け教育AIツール比較6選へ。年齢制限・料金・特徴を一覧で比較できます。
FAQ構造化データ(JSON-LD・WordPress貼り付け用)
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