絵日記・作文が苦手な子のAI補助|「書けない」を「書けた」に変える3つの支え方【現役講師】

子ども・保護者・先生向け

「今日の絵日記、何を書けばいいかわからない」「作文の最初の一行が出てこない」。夏休みの日記や作文は、苦手な子にとって毎日の大きな壁です。AIを使えば、この壁を少しだけ低くできます。ただし、使い方を間違えると“ズル”になってしまいます。

結論から言うと、文章そのものをAIに書かせるのはNG。AIに手伝わせるのは、「ネタ出し・書き出しのヒント・見直し」の3場面だけです。真ん中の「何を書くか・どう感じたか」は、必ず子ども自身の言葉で。この記事では、書けない子を追いつめずに支える3つの使い方を紹介します。


「書けない」の正体は3つある

作文や絵日記で手が止まる原因は、だいたい次の3つに分けられます。

  • ネタがない:何を書くか、題材が思いつかない。
  • 書き出せない:題材はあるのに、最初の一行が出てこない。
  • 直せない:書いたけれど、読みにくい・同じ言葉のくり返しが気になる。

この3つは、それぞれAIが手伝える場面です。逆に、「その日に何をして、どう感じたか」という中身は、AIに肩代わりさせてはいけません。そこが作文の心臓だからです。


AIが手伝える3つの場面

場面1:ネタ出し(何を書く?を一緒にさがす)

「今日あったこと」を子どもに質問形式でふり返らせるのに、AIが使えます。「今日いちばん楽しかったことは?」「初めてやったことは?」といった問いをAIに出してもらい、子どもがそれに答えるうちに、書く題材が見えてきます。AIは質問役、答えるのは子どもです。

場面2:書き出しのヒント(最初の一歩だけ)

題材は決まったのに一行目が出ない子には、書き出しの「型」をいくつか見せてもらいます。「『今日、〇〇をしました。』から始める」「『わたしは〇〇にびっくりしました。』から始める」など。型を選んだら、あとの中身は子どもが自分の言葉で埋めます。文章を丸ごと作らせないのがポイントです。

場面3:見直し(自分で書いた後のチェック)

子どもが書き終えた文章を、読みやすくする手伝いです。「同じ言葉のくり返しはある?」「わかりにくいところはどこ?」とAIに聞き、直すかどうかは子どもが決めます。AIに書き直させるのではなく、気づきをもらって自分で直すのが大切です。


そのままコピペできるプロンプト

場面1・3で使える頼み方の例です(大人が入力する想定)。

「小学2年生が絵日記のネタに困っています。今日あったことを思い出せるように、やさしい質問を5つ出してください。答えは書かず、質問だけでお願いします。」

「子どもが書いた作文です。内容は変えずに、同じ言葉のくり返しや、読みにくいところだけを教えてください。書き直しはせず、直したほうがいい場所を指摘するだけにしてください。」(このあと子どもの文章をはりつける)

「書き直しはしないで、指摘だけ」と頼むのが大切です。子どもの名前・学校名・顔がわかる情報は入力しないようにしましょう。


やってはいけない使い方

  • 「今日の絵日記を書いて」と、丸ごとAIに作らせる
  • AIが書いた文章を、そのまま写して提出する
  • 「どう感じたか」までAIに考えさせる

これらは、書く力が育たないだけでなく、先生から見ても不自然さが伝わります。読書感想文でのAIの使い方や「バレる仕組み」については読書感想文にAIを使うとバレる?でくわしく解説しています。作文全般の考え方は共通です。


学年別・関わり方のめやす

  • 低学年:AI操作は保護者が担当。質問を読み上げて、子どもの答えを親が書きとめる形でもOK。
  • 中学年:一緒に画面を見ながら。ネタ出しと見直しに限り、書き出しは自分で。
  • 高学年:見直しの相談まで子どもが関わってOK。ただし本文は自分の言葉で。

よくある質問(FAQ)

Q1. 絵日記の文章をAIに作ってもらうのはダメですか?

A. おすすめしません。作文や絵日記は「自分の言葉で書く練習」そのものです。AIには、ネタ出し・書き出しのヒント・見直しの3場面だけ手伝ってもらい、中身は子どもが書きましょう。

Q2. AIに手伝ってもらったら、先生に言ったほうがいい?

A. 学校のルールによります。使ったなら隠さないのが基本です。「ネタを思い出すのに質問を手伝ってもらった」など、どこを手伝ってもらったか言えるようにしておくと安心です。

Q3. 書くのが苦手すぎて、質問にも答えられません。

A. まずは口で話すことから始めましょう。話したことを親がメモして、それを子どもが写すだけでも立派な作文です。AIの質問は、その「話すきっかけ」として使ってください。

Q4. どのAIを使えばいいですか?

A. 保護者のアカウントで使う一般的なチャットAIで十分です。年齢制限やアカウントの扱いは保護者のための生成AI安全ガイドを参考にしてください。


まとめ:AIは“書く前と後”だけ、中身は子どもの言葉で

作文や絵日記が苦手な子にとって、AIは追いつめない味方になります。ただし手伝う場所を間違えないことが大切です。

  • 手伝うのは「ネタ出し・書き出しのヒント・見直し」の3場面だけ
  • 「何をして、どう感じたか」の中身は必ず子どもの言葉で
  • 見直しは「指摘だけ」。直すかどうかは子どもが決める

AIは、書く前のきっかけと、書いた後のチェックをそっと支える道具です。真ん中の“自分の言葉”さえ守れば、AIは苦手な子の「書けた!」を後押ししてくれます。

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けい先生
この記事を書いた人
けい先生
現役の小学校の先生

小学校で子どもたちに教えながら、家庭や授業でのAIのつかい方をわかりやすく紹介しています。

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