夏休みの自由研究はScratchで作品づくり|AIは「相談役」だけにする使い方【現役講師】

夏休みの自由研究はScratchで作品づくり|AIは相談役だけ 現役講師が解説 子ども・保護者・先生向け

夏休みの自由研究にScratch(スクラッチ)で作品を作るなら、テーマと作品の設計まではAIに相談してかまいません。ただし、ブロックを組む部分は子ども自身の手に残してください。ここさえ守れば、AIは強い相談相手になります。

この記事では、Scratchで作れる自由研究のテーマ例と難易度、AIに聞いていい範囲とダメな範囲、そして発表までの流れと著作権の注意点を、授業で子どもと使ってきた経験からまとめました。「AIに全部やらせたらズルでは?」という不安を持つ方こそ、線引きの部分を読んでみてください。

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この記事でわかること

  • Scratchで作れる自由研究・作品のテーマ例と、難易度の目安
  • AIに相談していい範囲と、やらせてはいけない範囲(設計はOK・コード丸写しはNG)
  • 完成から発表までの流れと、著作権・個人情報で気をつけること

Scratchで作る自由研究、まず何を作る?テーマ例と難易度

Scratchは、ブロックを組み合わせてゲームやアニメを作れる無料のツールです。運営は非営利のScratch財団で、特に8〜16歳向けにデザインされていますが、あらゆる年代に使われているとされています(Scratch財団公式・2026-07-19確認)。パソコンのブラウザで無料で使え、この1本で自由研究の「作品」は十分に作れます。

最初の関門は「何を作るか」です。作りたいものがはっきりしないまま始めると、途中で手が止まります。よく作られるテーマと難易度を並べました。上から順にやさしい方です。

作りたいもの 難易度の目安 どんな子に向くか
三択クイズゲーム ★☆☆ やさしい 初めてScratchを触る子。好きな教科の問題を出せる
動く図鑑(生き物・天気など) ★★☆ ふつう 調べ学習と合わせたい子。調べた内容を動きで見せる
迷路・宝集めゲーム ★★☆ ふつう ゲームを自分で作ってみたい中学年
九九・計算の練習アプリ ★★☆ ふつう 仕組みで学びを助けたい子。弟や妹に使ってもらえる
物語アニメーション ★★☆ ふつう 絵やお話を作るのが好きな子
シューティング・アクション ★★★ しっかり 得点や当たり判定にこだわりたい高学年

迷ったら、いちばん上の「三択クイズゲーム」から始めるのがおすすめです。正解・不正解で反応を変えるだけなので、少ないブロックで一つの作品が完成します。完成の手ごたえが早い作品を最初に選ぶと、その先まで続きやすくなります。

どのアプリを選ぶかで迷っている段階なら、学年別に向き不向きを整理した小学生のプログラミング無料アプリ7選を先に読むと、Scratchが自分の子に合うか判断できます。


AIに聞いていいのはどこまで?設計はOK、ブロックの丸写しはNG

ここがこの記事のいちばん大事なところです。結論から言うと、AIには「考える手伝い」を頼み、「作る作業」は子どもがやります。この線を引くだけで、AIを使ってもちゃんと学びになります。

Scratchの自由研究では、場面ごとにAIの使いどころが変わります。相談していい場面と、やらせるとズルになる場面を分けて見てください。

場面 AIに相談してOK AIにやらせるとNG
テーマ決め 「魚が好きな子に合う、Scratchの作品案をいくつか出して」 —(案を広げる相談はどんどんOK)
設計・手順 「三択クイズゲームの作り方を、言葉で順番に説明して」 「このゲームのブロックを全部そのまま教えて」で丸写し
つまずき 「キャラが動かないとき、どこを確かめればいい?」 原因を考えず、直し方だけコピーして貼る
発表準備 「工夫した点を説明する順番のアドバイスをして」 発表原稿や感想をAIに丸ごと書かせる

「設計はOK、ブロックの丸写しはNG」と覚えてください。たとえば「クイズゲームって、どういう順番で作るといい?」と手順を言葉で聞くのは相談です。一方で「そのままコピーすれば動くブロックをちょうだい」は、子どもが手を動かす部分をAIに肩代わりさせています。前者は考える力が育ち、後者は残りません。

授業でScratchを子どもと使っていると、ブロックを自分でつないで初めて動いた瞬間の「できた!」という顔をよく見ます。難しいところでつまずいた子も、少しずつ試しながら諦めずに続けて、最後には自分の作品を形にしていきます。あの手ごたえは、AIに組んでもらったブロックを貼っただけでは生まれません。うまくいかないときにAIへ聞くとしても、「答え」ではなく「どこを見ればいいか」を聞く。この聞き方に変えるだけで、AIはつまずきに寄り添う先生役になります。

もし作りたいテーマそのものが決まらないなら、AIと質問を往復して決める方法を自由研究のテーマをAIで“壁打ち”する手順にまとめています。テーマ探しはそちら、作品づくりはこの記事、と役割で分けて使ってください。


完成したら発表へ。著作権と個人情報だけは押さえる

作品ができたら、発表と提出です。ここで大人が見てあげたいのは、著作権と個人情報の2点だけ。難しく考えなくても、次のことを守れば安心です。

作品に使う「素材」の約束

Scratchには、キャラクター(スプライト)や音の素材が最初から用意されています。この中のものは自由に使ってかまいません。自分で描いた絵や、自分で録音した音も、もちろん使えます。

気をつけたいのは、外から持ち込む素材です。好きなアニメやゲームのキャラクター画像、市販の曲などを勝手に取り込んで、発表したりネットに公開したりするのは避けてください。これは自由研究にかぎらず、作品づくり全般に共通する著作権のルールです。使うなら、Scratchの中の素材か、自分で作ったものにする。この方が、堂々と発表できます。

他の人の作品を「リミックス」するとき

Scratchでは、他の人が公開した作品を土台にして作り直す「リミックス」ができます。Scratchはこのリミックス文化を大切にしていますが、公式のコミュニティガイドラインでは、人の作品や素材を使ったときは元の作者にクレジット(誰の作品を使ったかの表示)を付けるのが約束とされています(scratch.mit.edu コミュニティガイドライン・2026-07-19確認)。自由研究で誰かの作品を参考にしたなら、「〇〇さんの作品を参考にしました」と一言添える。それだけで十分です。

個人情報と、世界への公開

作品の中に、本名・学校名・住所・顔写真などの個人情報を入れないでください。これはScratchのガイドラインでも「個人情報を守る」として求められていますし、自由研究を教室で発表するときも同じです。

Scratchには作品を世界のユーザーに公開する機能もあります。公開すること自体は楽しい体験ですが、アカウントを作ったり作品を公開したりするときは、保護者が一緒に、公式のルールを確認してから進めてください。学校の提出だけなら、公開しなくても作品は完成します。

発表用のまとめ(模造紙・レポート・発表原稿)の作り方は、自由研究の「まとめ方」をAIと仕上げる手順でくわしく紹介しています。作品はこの記事、まとめと発表はそちら、と続けて読むと最後まで迷いません。


Scratch以外の自由研究にもAIは使える

ここまではScratchの作品づくりに絞って書きましたが、AIを「相談役」として使う考え方は、自由研究のどんなテーマにも当てはまります。観察・実験・調べ学習でも、テーマ探しや問い立ての相談相手になってくれます。

宿題や自由研究、読書感想文まで含めた家庭でのAIの使い方は家庭学習にAIを使う具体例10選に、夏休み全体のAIとの付き合い方は夏休みの読書感想文・自由研究にAIはアリ?にまとめています。どちらも「答えをもらう道具」ではなく「考えを引き出す相棒」という同じ軸で書いています。


よくある質問(FAQ)

Q1. Scratchの自由研究で、AIに聞いていいのはどこまでですか?

A. テーマ決め・作り方の手順・つまずいたときの確認ポイントまでは、相談してかまいません。ダメなのは、そのままコピーすれば動くブロックを教えてもらって丸写しすることです。「設計はOK、ブロックの丸写しはNG」が線引きの目安です。

Q2. AIにScratchのブロックを全部作ってもらうのはダメですか?

A. おすすめしません。ブロックをつなぐ作業は、子どもが自分の手でやることに意味があります。うまく動かないときも、AIに直し方をコピーするのではなく、「どこを確かめればいい?」と聞いて、自分で見つける形にしてください。その方が力が残ります。

Q3. プログラミングが初めてでも、夏休みの自由研究に間に合いますか?

A. 間に合います。まずは三択クイズゲームのような、少ないブロックで完成する作品から始めてください。一つ作りきる経験ができれば、そこから機能を足していけます。最初から大きな作品をねらわないのがコツです。

Q4. 作った作品を発表・公開するとき、著作権で気をつけることは?

A. 好きなアニメやゲームのキャラ画像、市販の曲などを勝手に取り込まないことです。Scratchに用意された素材か、自分で描いた・録音したものを使えば安心です。他の人の作品を参考にしたときは、元の作者へのクレジットを一言添えてください。

Q5. 親がプログラミングを知らなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。むしろ横で教えないほうがうまくいくことが多いです。子どもは自分で試して覚えます。困っていそうなら「どうしたいの?」と聞くだけで十分で、答えを先に言わないほうが伸びます。AIへの聞き方だけ、最初に一緒に決めておくと安心です。

Q6. Scratchは無料ですか?何歳から使えますか?

A. 無料で使えます。Scratch財団は特に8〜16歳向けにデザインしているとしていますが、あらゆる年代に使われています(Scratch財団公式・2026-07-19確認)。文字が読めれば低学年でも遊べますが、字がまだ難しい子には、絵のブロックで動かすScratchJrなどが向きます。


まとめ:AIは相談役、手を動かすのは子ども

夏休みのScratch自由研究は、線引きさえ間違えなければ、AIを使ってもしっかり学びになります。最後に要点を整理します。

  • テーマと設計:AIに相談してOK。作りたいものと作り方の手順は聞いていい。
  • ブロックを組む作業:子ども自身の手に残す。丸写しはさせない。
  • つまずき:「答え」ではなく「どこを見ればいいか」を聞く。
  • 発表:外部の画像・曲を勝手に使わない。個人情報を入れない。

まずは三択クイズゲームを一つ、子どもの手で完成させてみてください。「できた!」の一言が出たら、その自由研究はもう成功です。

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けい先生
この記事を書いた人
けい先生
現役の小学校の先生

小学校で子どもたちに教えながら、家庭や授業でのAIのつかい方をわかりやすく紹介しています。

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